スティーブン・ジョーンズ

きくちゆみさんの見解 菊池誠さんの見解 その他の方の意見
何度かお会いしていますが、荒唐無稽な「陰謀論者」ではありません。彼は現場で採取した粉塵の中から金属解析により硝酸バリウムと硫黄を発見しています。制御爆破解体にはテルミット(themite:英語の発音はサーマイト)が使われますが、通常のテルミットには硝酸バリウムは入っていません。それは「テルマット(thermate:英語の発音はサーメイト)」という軍事特許品にしか含まれない成分であることがわかっています。 菊池誠『科学と神秘のあいだ』の引用

<そのひとりが、常温核融合で名をあげたアメリカの物理学者スティーブン.ジョーンズだ。 ジョーンズは、あの崩壊が爆破でないのだとしたら物理法則に反すると強く主張し続けている。 物理法則から考えて、崩壊のしかたが不自然だというわけ。>

追記:粉塵の解析について

ジョーンズの論文は何も証明していない。肝心の「ナノテルミット」ですら、「粉塵中で発見された物体はテルミットと同じ組成を持つが、発火点が低いのでスーパーテルミットだ」というわけのわからない論理。この論文がリジェクトにならなかったのは、ひとえにジャーナル(The Open Chemical Physics Journal)のレベルが低かったからだが、そのジャーナルの編集長だったMarie-Paule Pileniは「自分のあずかり知らないところでこの論文が掲載された」ことに抗議して、辞任している[2]。世の中には多くの「クズ論文」があり、それらは誰にも支持されず、さりとて批判されることもなく忘れ去られる。また、バリウムについては、EDSスペクトルにもなく、論文の最後のほうに「一部のサンプルでバリウムが見つかった」と言葉で書かれているだけ。しかも「硝酸バリウム」とは書いていない。これが硝酸バリウムではなく硫酸バリウムなら、ありふれた物質

その解析は素人ではよくわからないが、「常温核融合」で失敗した人の解析なら素人目に見るとうさんくさい。「常温核融合」とは、トンデモ科学として有名で。この本でも書いていたが、菊池誠さんのブログから引用しておく。

ジョーンズは常温核融合"事件"の当事者のひとりだったが、フライシュマンとポンズがかなり評判を落としたのに対し、穏当なデータにもとづく穏当な説のおかげで評判を落とさなかった人。 フライシュマンとポンズはありていにいうと「トンデモさん」扱いになったが、「ジョーンズの論文はまともだった」と多くの人に思われ、常温核融合事件を無事に生き延びたのだった。某氏もそれについては、だいたい同じ感想。だからこそ、911陰謀論の理論面を引っぱる人としてジョーンズが登場したときには、驚いたのだった。せっかく常温核融合事件を生き延びたのになぜ、というのが正直な感想。まともな学者ではなかったのだろうか。もっとも、「生き延びた」は違ったのかもしれない。常温核融合以降、大学や学会での立場が微妙になっていたのかもしれない。それは僕にはわからないのだけど、とにかく、ジョーンズの発言に「哀れ」を感じるのはそういう理由だ。


ジョーンズ博士はWTCの粉塵を金属組織解析(metallographic analysis)したから自信を持って言えるのです。 菊池誠『科学と神秘のあいだ』の引用

<ジョーンズがあれほど自信を持って、物理法則に反すると断言できるのか、その自信の出どころが僕にはさっぱりわからない。>

追記:これはジョーンズが粉塵を解析する前、崩壊のしかたを見ただけで、「物理法則に反する」と言ったときの話。彼はビデオ映像からそう断言した。したがって、金属組織解析の話ではなく、力学の話

そりゃそうでしょう。ジョーンズ博士のように物的証拠を使った調査を何もやってないし、論文も書いていないでしょう。 菊池誠『科学と神秘のあいだ』の引用

<僕なら、とてもそんな自信は持てない。>

藤田幸久議員のことを恥ずかしいとは私は思いません。彼は自分なりによく調査して、あの質問をしました。彼の著書『9.11テロ疑惑国会追及』を読んでみて下さい。藤田議員の911国会質問に関するサイト鵜呑みにしたり、ガセネタのメールで質問したわけではありません。彼は国会で911事件のことを質問した初の議員です。そしてその「応報」を受けました(ワシントンポスト事件)。__________________________________ 菊池誠『科学と神秘のあいだ』の引用

<有名な物理学者が物理法則に反すると言っているんだからそうに違いないと、ジョーンズの意見を鵜呑みに してしまった人たちは世界中にいる。 日本にもいまだにそう信じている人がたくさんいる。 国会で質問してしまった恥ずかしい議員もいる。>__________________________________

「ワシントンポスト事件」?そんな「事件」があったのか?「藤田幸久 (911陰謀論)」に顛末が載っているが、要は、陰謀論を酷評されただけだろう。
(2つ右への西牟田祐二さんのコメント)このご意見・ご質問は思考の出発点が誤っているように思います。

WTCの粉塵の中に現実に酸化鉄をもちいたテルミットの未着火の現物が見つかったということ、それの燃焼実験を行ったところ通常のテルミットと比較して反応性が非常に高かったのでこれがナノ・テルミットだとされたのです。 他方この記事では、2005年段階の学会報告で過マンガン酸カリウムを用いたものが新しい素材として有効だという主張がされているわけです。

ジョーンズ博士は、共同執筆した有名な論文(The Open Chemical Physics Journal 誌の2009年第2号に掲載)で、倒壊現場で採取した赤い物質が、アルミと酸化鉄を組み合わせたナノサーマイトだと指摘している。ところで、酸化鉄を使ったナノサーマイトは燃焼速度が極めて遅く、最も反応の激しいアルミ/過マンガン酸カリウムの、2万9000分の1の反応速度なのだそうだ。こちらのサイトによると、ナノサーマイトを容器で密閉して反応させ、マイクロ秒当たりで得られる圧力を計ったところ、つぎのような実験結果が得られた。

アルミ/過マンガン酸カリウム 290psi/µs アルミ/酸化銅とアルミ/モリブデン 8 psi/µs アルミ/酸化鉄 0.01psi/µs

WTC崩壊が制御爆破によるものであったとすれば、約130階分の爆破を約10秒で完了したのだから、階から階へと続く爆破をコンマ秒以下の正確さでコントロールしなければならなかった。それほどに精密な爆破作業であれば、なるべく反応が速くて正確に制御できる材料を選ぶだろう。失敗の許されない爆破なのに、よりにもよってこんなに反応が遅い材料を選ぶなど、考えられないのではないか。私は専門家ではないので、間違ったことを書いているかも知れない。詳しい方に検証していただければ有り難い。

(2つ右への西牟田祐二さんのコメント)わたくしの理解でも基本的に上のコメントの方の理解と同じです。なお残っている疑問点についても上のコメントの方と同じです。

つまり「サンプルは430℃で着火した。これは通常のテルミットの着火温度900℃よりも非常に速い反応である。従ってこれは通常のテルミットと成分は同じだが、反応速度を高めるようにされたものである。従ってなんらかの形態のナノテルミットだと推定される。」 つまり証明は、「テルミット反応を示す物質が検出された。」というところまでで、ナノテルミットかどうかは推定にとどまると思います。

次に温度については、微小鉄球が生成したことによって鉄の融点を超えていたと推定していると思います。DSCの中で実際に何度の温度が出ていたかということは論文中では示されていないと思います。

従って「WTC粉塵の4つのサンプルからテルミット反応を示す物質が見つかった。それは通常のテルミットよりも反応速度が速いものであった。従ってこれはナノテルミットであると推定される。」というのがわたくしの理解の立場です。

(左へのコメント)

この論文で言っているのは、「テルミットの成分(アルミや鉄など、ありふれたもの)が検出された。しかし、テルミットとは燃焼のしかたが違うのでナノテルミットである」ということ。 しかし、ナノテルミットなるものの燃焼と比較実験を行った形跡はない。ナノテルミットと推定する根拠は「テルミットとは違う」という点のみ。アルミや鉄を含みテルミットと違うものなら、ビルの中にいくらでもあった。 また、融けた微小鉄球は火打ち石でも発生する(ロバート・フックの「ミクログラフィア」にも記載されている)ので、高温の証拠にはならない。

The Open Chemical Physics Journal, 2009, 2, 7-31 に掲載されたジョーンズ博士の論文のことでよく分からないので質問する。なにしろまったくの素人の質問なので、勘違いしまくりかも知れないが、ご容赦。

論文に、スーパーテルミットの燃焼に関する記述がある。そこに書いてあることをまとめると、

1.サンプルは430℃で着火した。

2.普通のテルミットの着火温度は900℃なのでかなり引火点が低い。

3.点火後、「chips in a DSC run to 700℃」

4.高温度で形成される鉄球が観察された。

5.よってサンプルはスーパーテルミットである。

質問というのは、

① ナノテルミット(論文ではスーパーテルミット)は引火点が低いという実験データがあるのか。

② あるのならば、そのデータはどのように確かめられるか。

③ №3は何を述べているのか。「点火後、チップをDSC(走査熱量測定モジュール)の中で700℃までrun」というのは、700℃に加熱したということか。

④ もしそうなら、430℃で着火したサンプルを700℃まで加熱するという意味がよくわからない。

⑤ それともサンプルの燃焼温度が700℃まで上がったということか。

⑥ もしもそうなら、700℃というのはかなり低温で、ジェット燃料の燃焼温度と変わらないし、勿論鋼鉄の柱を溶かすのは無理だ。

⑦ 「高温度で形成される鉄球が観察出来た」のはかまわないが、サンプル自体の温度がどこまで上がったのか言及がないように思える。読み落としだろうか。

どうもよくわからないので、宜しく御願いいたします。 

原文 As measured using DSC, the material ignites and reacts vigorously at a temperature of approximately 430˚C, with a rather narrow exotherm, matching fairly closely an independent observation on a known super-thermite sample.  The low temperature of ignition and the presence of iron oxide grains less than 120 nm show that the material is not conventional thermite (which ignites at temperatures above 900 ˚C) but very likely a form of super-thermite. After igniting several red/gray chips in a DSC run to 700˚C, we found numerous iron-rich spheres and spheroids in the residue, indicating that a very hightemperature reaction had occurred, since the iron-rich product clearly must have been molten to form these shapes.  In several spheres, elemental iron was verified since the iron content significantly exceeded the oxygen content.  We conclude that a high-temperature reduction-oxidation reaction has occurred in the heated chips, namely, the thermite reaction.

(右のコメントへのコメント)

そのとおりだと思います。これらの事実から「ナノテルミット」と結論づけるのはあまりにも飛躍が過ぎ、まともな議論とはいえません

(上のコメントへのコメント)ところで私の質問はもうひとつあった。「燃焼温度700度」。これはテルミット反応としてはあり得ない低温だ。鋼鉄も溶けないし。微細鉄粉が燃焼して鉄球状になるのは、スチールたわしにライターで火をつけてもなるのだから、サンプル全体が高熱で燃焼した証拠にはならないと思う。
あとは、スティーブン・ジョーンズのナノサーマイトの論文は読みましたが、あれでは何も証明していないし、まじめに取り上げる科学者はいないだろう、という程度の感想です。 (左へのコメント)なかなか大胆なご意見だが、デンマークの主流メディア報道や科学ニュース専門サイトの扱い、コメントを求められた化学者などの評価はだいぶ違うようだ。

だいたい、論文の出来具合と、報告された発見物の有無とは別問題だ。

(右上へのコメント)まあ、「出来具合」の意味によりますね。

たとえば、データはしっかり示されていて、解析手法も問題にふさわしいものが使われていて、ただ最後の解釈がでたらめ、みたいなものならいいと思いますよ。 僕のブログとskeptics' wikiをお読みなのでしたら、彼らの分析手法についてはかなりの疑問が出されていることはおわかりでしょう。特にXEDSスペクトルから存在比にいくところの解釈はなかなか危ういようです。 発見物の有無でいうと「ブツ」はたしかにあるのですが、さてそれが彼らの言うとおりのものなのかという、最も重要な部分が「conventional quantification routineで解析した」という誰も追試できない記述になっちゃってるのですよね。 そこが怪しいと、その「ブツ」は「まったくつまらないもの」の可能性が出てきます。

釈迦に説法で申し訳ありませんが、なにしろ成分自体はごくありふれたものばかりで、ビルの健在や塗料に含まれるものとなんら変わらないので、結局は成分の存在比が本当に特殊かどうかでしか決めようがないわけです。

もちろん上の方はskeptics' wikiの記述に同意されないでしょうが、それはもう「同意しないならしょうがない」というしかありません。 でも、上の方はこの論文で「成分の存在比」について、無機分析の専門家を納得させられますか? 自分が信じるか信じないかではなく、要するに、そういうことですよね。

お示しのURLの英語訳版によると、DTUのふたりの教授のコメントはなかなか微妙じゃないですか?

"tests are made on the basis of 'very useful'
tests by current standards."
"'The authors show a content of ordinary
minerals such as aluminum and iron, which
is not surprising in dust from a building fire.
I would not be surprised if the measured
chemical compositions came from any
burnt, but I could be wrong, for I must
stress that I do not know anything about
either termites or nanotermit, "
"it did not elaborate measurements"

デブ・スペクテータさんが書かれているほど、ポジティブでもなさそうですよ。 なにしろ、その記事のこの段落のサブタイトルは'May be normal dust'ですから。サブタイトルはその段落の内容を端的に表現しているはずでは?

それにしても、なぜジョーンズたちはもっとしっかりした無機分析の専門家に調べてもらわなかったんでしょうね